えがるマン?
ある日の会議の中、例によってしゃべりまくるサムラ氏の発言の中でいくつか耳に付いたフランス語の単語があるのですが、その一つが「えがるまん」でした。どうも重要な単語であることはわかるのですが、何のことやらわかりません。フランス語のスペルがわかりませんから、その時は手帳にカタカナで「エガルマン」とメモをしておきました。
さて会議が終わり、自分のデスクに戻ってから「さてえがるマンとは何者?」と早速フランス語辞書で引いてみました。
まず
egarement
で引いていました。そしたらありました。
意味は「錯乱, 逆上」あるいは「道に迷うこと」と出ていて、しかも「文語」「古語」となっています。仕事がそんなにおかしなほうに行っているとも思えませんので、どうやらこれは違います。
と、そこにフランスで5年間暮らしていたことのある筆者の同僚、島調が入ってきました。フランス語はぺらぺらです。さっそく「えがるまんはどうつづるの?」と聞いてみると、
「egalement です。意味は『同じく』ということです。」
とのこと。いつまでたってもrとlの区別は難しいです。
ここ10数年は昨年3ヶ月行ったボリビアを除くと英語で仕事をする機会が圧倒的に多かった筆者は、「なんだ、equally か」とまず最初に思ったのですが、ふと気がつけば、ほとんどスペイン語の「イグアルメンテ」 igualmente じゃないですか! Voila!
なんだかフランス語は鼻音の「アン」とか「モン」という発音が多いので、ちょっとユーモラスに聞こえるし、筆者にはまだぴんと来ないことが多いのですが、スペルを思い浮かべて考えると、該当するスペイン語が類推できることが良くあります。
例えばフランス語の「じゃんじゃんぶる」。セネガルにはジャンジャンブルのジュースというものがあるのです。これも聞いたときには何のことかと思いましたが、つづってみると、
gingembre
無理にスペイン語読みすると「ひんへんぶれ」そうスペイン語だと
jengibre
「へんひぶれ」でショウガのことでした。これを無理にフランス語読みすると「じゃんじぶる」でしょうか。やっぱりかなり似てますね。
ちなみにジャンジャンブルのジュースというのはショウガの汁を絞って水で薄め、砂糖を加えたものです。