勝ち負け

これを書いているのは2002年6月。ワールドカップもいよいよ佳境を迎えていますが、残念ながら日本はトルコに負けてしまいました。勝てる可能性もある試合だと思っていたのですが。もし日本が勝っていると、筆者が滞在するセネガルとの対戦、ということで、筆者も筆者の同僚(日本人もセネガル人も)らも、日本に勝って欲しい、と思いつつ、日本対セネガルになったら応援しにくいなあ、とひそかに思っていたのでした。

考えてみたら、フランス語圏のチームで残っているのはセネガルだけですね。アフリカでも唯一ですが。スペイン語圏のチームは、スペインとメキシコがいますが。アルゼンチンはフランス同様まさかの敗退でしたからねえ。

しかし、韓国の一戦は見事でした。試合としても充実していましたし、まさに劇的な逆転で、セネガルの人たちも画面に釘付け、延長戦はどこもかしこも仕事そっちのけ、という状況でした。

勝ち負けはフランス語とスペイン語では?

ということで、今回は勝ち負けをスペイン語とフランス語でどう言うか、をお届けします。

まずスペイン語で、勝つは ganar、英語の get あるいは gain に相当する単語ですが、フランス語も良く似ていて、gagner です。発音は鼻濁音になって「ガニェ」です。

最近のテレビでは、セネガルが勝利したあとなどには、大喜びして町に繰り出す人々の映像と共に

Le Senegal qui a gagné!

という字幕がよく出ています。

qui というのは主格を表す関係代名詞で、スペイン語では que です。直訳だと「勝ったのはセネガル」、ニュアンスとしては「セネガルが勝ったぞ!」というところでしょうか。

スペイン語に訳すと

(Es) Senegal que ganó!

でしょうか。ganó は点過去の三人称単数です。

フランス語は口語体だと、スペイン語の点過去に当たる表現を、スペイン語では現在完了形のような avoir + 過去分詞 で表現します。実際には avoir ではなくて etre を使わなくてはならない単語もあってややこしいのですが、この点はそのうち取上げたいと思っています。またフランス語にはどうやら、現在完了形という名称は存在しないようです。まあ日本語にもありませんが。

さて今度は負け。スペイン語では perder です。「失う」というような意味の単語で、有名なラテン音楽のベサメ・ムーチョには perder te つまり「君を失う」という表現が出てきます。

まあそれはともかく、フランス語ではスペイン語に非常に似ていますが、perdre となります。最後の re が逆になっています。

日本が負けた!は、

Le japon a perdú (le match)!

になります。le match はサッカーなどの試合のことで、明らかに英語からの外来語ですね。元々サッカーはイギリス発祥ですから。スペイン語では試合のことを partido と言いますから、ずいぶん違います。

ついでに書くと、引き分けのことをフランス語では match nul と言います。